それは10月1日の昼下がりのこと・・・
JBスピード(インターネット屋)でブログ更新を終えてネットでコーヒーでも飲もうかと立ち寄った時でした。
この場所で友達と挨拶を交わしてると外人観光客が声を掛けてきました。
「このバイク10分だけ貸してくれない?」・・・
この言葉は私がいつもビーチボーイに言ってること。
「お金はちゃんと払うから・・・」と!
振り返ってみると「新婚カップル」と見てとれる瀟洒な身なりのアラブ人・・・
初めてのことだったんですが「まっ、いいか!」とついつい貸してしまったんです。
二つ目のヘルメットはいつもネットに置いてあるもんで、これを奥さんに・・・
そして私のを彼にかぶせてキーを渡すと、エンジンの掛け方もギアチェンジの方法も知らない様子。
それで「これをこうして・・・」と言い終わるか終らないうちに・・・ブルブル~と行ってしまいました。
あっちからバイクが来てるのに反対車線をブリブリブリ・・・と
それもローギアで・・・
アッと言う間の出来事でした!
バンコクからビザ取りにやってきた「あき」さんが、そのやり取りを見てて・・・
「カメ爺さん・・・ペナンではこんな事いつもあるんですか・・・」と
「こんな事は私も初めて・・・」と答えながら「大丈夫かな・・・?!」と不安になってきました。
「まっ、いいか!」と待つことしばし・・・
それが帰って来ないんです!
「まさか?アラブの富豪の気まぐれで、そこら辺りにホッポラシ・・・」
さすがに不安になって通りかかったビーチボーイと一緒に探し回ったんですが、どこにも見当たらない!
ヨツシャと腹をくくって待ってると一台の車が・・・
「あなたのバイクがトラブル・・・」と
車の中を覗くと先ほどのアラブ人が・・・
「エッ、貸したバイクで事故っちゃったのぉ~」
よく聞くと「事故はやってないがバイクがパンクした」と言うんです。
「で、バイクは何処に・・・」と聞くと「すでにバイク屋に運んだ」と言うんです。
何がなんだか分からなくて「一緒に行って見よう・・・」と車でバイク屋まで行ってみました。
車中で「私はサウジアラビアからやって来てホリディインに泊まってるモハンマドです」と言って電話番号を教えてくれたんです。
それで「バイクはすべて私が修理して返しますから」と言うんで・・・
一見したところ「パンクだけ・・」のような感じ。
彼らに任せたら何時のことやらと思って「よし分かった、修理代だけ置いてけ」と言ってしまいました。
すると素直にパンク修理には十分なRM50札を出したんです。
「よし、案ずるには及ばなかったナ・・・」と一件落着!
ところが、よく点検してみると「あっちもこっちも」痛んでる・・・
まずはパンク修理して・・・
バイク屋に「痛んでるところを全部修理するといくらかかるの?」と聞くと意外に重症のようで・・・
早速彼に電話してみたが電話に出ない・・・
仕方がないんで翌日ホテルに出向いてみました。
持つべきは友!
ホリディインを訪ねると私の知らないインド人スタッフが「あっ、アナイさん・・・どうしたの?」と助っ人に!
私は知らなくても、あちらが知ってましてね・・・
「実はかくかく云々・・・」とお話すると、テキパキと彼の部屋を探し出して電話してくれたんです。
「お前さんが昨日借りて事故を起こしたバイクの持ち主の日本人がホテルに来てる」
「その件について話があるんでロビーまで降りてきなさい」と強気な電話・・・
彼は一寸ビビッたのか「じゃ、部屋まで来て欲しい」との回答。
早速、部屋まで行って事情を話すと「オールOK」と言うんです。
超簡単に示談交渉が成立してしまいました。
その後が面白いんです。
その夜のこと・・・
私が友達と「ランカウイ」(地元の人はココナツガーデンをオーナーの名前でこう呼ぶ)でワイワイやつてると、私を目敏く見つけて話しかけて来ました。
バイクの「此処とここがこんなになってて・・・」「部品を注文してるので修理には数日かかる・・・」と説明してると
こいつ「もう一回貸してくれるか・・・」だって
本当にふざけた「ノー天気な奴」なんですが、憎めなくってネ!
その翌日には、もうビーチボーイがみんな知ってて、パラセーリングを楽しむ彼の足をお尻くらいまで波間に漬けて「タッチアンドゴー」やなんかをしてからかってましたが・・・
バンコクから来てた「あき」さんから帰り際に言われちゃいました。
「カメ爺さんは人が好過ぎますヨ!」なんて
キツイ一言でしたが、家の鬼嫁ならいったい何んと言って怒られたことでしょう!
これからは興味半分のような軽率な行動は慎みますから許してチョーダイな。