マレーシア在住日本人向け情報誌南国新聞の読者投稿サイト「南国広場」にチョット衝撃的な書き込みがありましたのでご紹介してみましょう。
東日本大震災後、原発事故や地震からお子さんを守るためマレーシアに疎開をすることを決意した方の心配事です。
マレーシアで生活を始めて間もなく、親戚が日本から持ち込んだ「ガイガーカウンター」で居住区域の放射線量を測定したところ「放射線指数が非常に高く警報も鳴りっぱなしだった」とのこと・・・
まさかと思いネットで原因を調べたところレアアース工場の廃棄物、スンガイウラーの放射性廃棄物汚染や、クアンタンの原子力発電所の問題などが見つかり、測定結果も「福島より危ない数値」だと知ってショックを受け、今はもう何をどうして良いか分からないと言うんですね。
「南国新聞」南国広場 ポニョさんの投稿原文☜はこちら
放射線測定器にも色々な機種があり、どんな場所でどのように測定したかは定かではありませんが、投稿者が指摘するような放射性物質による汚染があるのは確かなようです。
但し、核燃料や核兵器の製造、加速器を用いて人工元素を合成することなどで人為的に取り扱われるものばかりが放射性物質ではないのも事実。
太陽や恒星から降り注ぐ宇宙線(中性子)は、大気に含まれる原子や人工物に吸収されて放射化します。
例えば、炭素14は、空気中又は鉄骨中の窒素原子が宇宙からの中性子線を吸収して自然に生成される。
また、ウラン235が放射線を放出しながら、ラドン等の娘核種を経て生成されていくものもある。
更には東京でも確認されたように、知らないうちに居住区域内に放射性物質を含む薬剤等が放置されていて放射線の発生源になっていたり、医療機器が原因の場合もある。
このように、一般的な住環境にも多種多様の放射性物質が存在しているので、もう少し詳細に調査することが必要だろう。
現代社会においては何処でどのように被曝する機会があるか分からない。とりわけ開発途上国における放射線管理や規制は緩やかなため専門機関による監視が求められる。
一方国内においては福島第一原発事故以来、国民世論は「脱原発」か「原発再開」かの両極端な論議が繰り返されていますが、私にはどうにも空虚な論議のように思えてなりません。
私は現役当時、電力で働きながら「クビ覚悟」で「反原発」を唱えた一人ですが、人類にとって問題なのは原発が稼働するか否かではないように思われる。危険なのは「放射性物質」とりわけ「核廃棄物」が環境に放出されることなのです。
原発を停め全て廃炉にしたとしても残る「放射性廃棄物」の処理処分・管理を今後どうしていくのかが大問題なのです。
この問題は何も日本国内だけの問題ではありません。
昨年末の「ニューズウィーク誌」には、こんな記事も載っていました。
[2012年12月12日号掲載]
中国は今後数年にわたって原子力エネルギーを増産する──中国原子力産業協会の張理事長は先週、広州で開かれたセミナーでこう宣言した。張によると、中国は15年までに原発による発電量を42ギガワットに拡大する。これは全世界の原発発電量の約10%に当たる数値だ。
中国では現在、6カ所の原発で15基の原子炉が稼働しており、その発電量は12・5ギガワット。国内の総発電量の1・8%を占め、世界の原発発電量の約3・5%に当たる。張は15年か「その数年後」までには41基の原発が稼働し、さらに20基が建設中になっている予定だと言う。
中国「泰山原子力発電所」 もっとも10月に中国政府が出した白書では、15年までの目標値は40ギガワット。中国の第12次5カ年計画(11年〜15年)における15年までの目標値50ギガワットを下回っている。
その主な原因は、昨年の福島第一原発の事故だ。中国政府は事故から1年余り、原発建設を一時停止するなど核エネルギー政策に慎重だった。だが今年6月に停止期間が終わると、従来どおり原発推進の道を選んだ。ただし中断期間があったためか、50ギガワットという目標値は見直さざるを得なかったようだ。
原子力エネルギーの増産ペースを落とした中国は、福島の悲劇から十分な教訓を得ていると強調する。「中国の原発の性能は優れており、立地場所も慎重に選んでいるため、福島と同じ轍を踏むことはない」と張は語った。
しかし、張の強気な発言には疑問が残る。中国国務院は10月、今後数年は沿海部にのみ原発建設を認めると発表した。確かに繁栄する沿海部は内陸よりも電力を必要としているが、福島が示すように海の近くの原発は津波や台風の被害を受けやすい。
この問題は経済成長のさなかにある他のアジア諸国にも重くのしかかってくる。高まる電力需要を満たすため、輸入に依存せず環境に優しい電力源として核エネルギーに目を向けるだろう。しかし一方で、事故のリスクも考慮しながらエネルギー政策の舵取りをしていかなくてはならない。
つまり、ニューズウィーク誌は「中国は福島の教訓を生かしていない」と強調しているんですね。
どうですか皆さん?
中国の原発を経営するのは国有企業「中国核工業集団」。主力原発はカナダ型の加圧重水型重水炉ですが、中国の原子力エネルギーの父と称される科学者「欧陽予(オウ・ヤンユィ)氏」は「中国の原発は日本より100倍安全」などと発言していますが信用できますか?
「世界の原発マップ」 偏西風に乗り放射能が日本に降り注ぐ一度、中国で原発事故が起きた場合、被害を受けるのは中国国民だけなんでしょうか?
偏西風に乗って運ばれる黄砂の降る日本に影響はないんでしょうか?
はたまたインドや韓国の原発は安全なのでしょうか?
原発ばかりでなく、近日中に核実験を示唆している北朝鮮はどうなんでしょう?
東西冷戦構造の終焉により、不要となった旧ソ連の核潜水艦が日本海に投棄されて久しくなりますが、日本海の海洋汚染はないのでしょうか?
原子力産業から撤退して核廃棄物の処理・処分が可能なのでしょうか?
果たして私達は、日本の原発を停めるだけで放射能の危険から身を守れるのでしょうか?