昨日の菅内閣「不信任案」の否決は、まさに「茶番劇」でしたね。
(写真は途中経過)
国民不在の大騒動で残ったのは「政治不信」だけ・・・
民主党代議士会で「一定の目途がついたら若い世代に引き継ぐ」という総理発言を聞いて「ハギレの悪さ」を感じていたが、否決後になって辞任の時期の食い違いが表面化。
さらに「茶番劇」の続編が続いている。
政治というのは「権力闘争」ですから、結果というのは所詮こんなものです。
被災地の首長は一様に「被災地とともに立ち上がろうというときに政府の足元が揺らぐのは、絶望的」「この時期不信任案提出は被災地を考えていない」(仙台市長)
「一連の政局が腹立たしい」「基本的方向が定まらねば自治体決定も実効がない」(南三陸町長)
「国民不在、被災者不在」「被災地の声を真摯に受け止め、復旧・復興の約束を守れ」(岩沼市長)
と怒りをあらわにしている。
また一方で、「退陣を考えながら仕事するなんてふざけるたことでは困る」(南相馬市長)
「辞めるという人がリーダーで被災地にどう影響が出るか」「リーダーがビジョンを示さないと難局を乗り切れない」(陸前高田市長)
「会議ばかりではしょうがない」「方向性を早く決めないと動けない」(多賀城市長)
などと菅内閣続投への不安から復旧・復興の遅れを懸念する声も聞かれる。
結局、「内閣不信任案」を巡る茶番劇が残したのは被災地の「絶望感」と国民の「政治不信」だけだったようだ。
まだまだ政治家の「権力闘争」は続きそうだが、私は、こんな出来ごとに一喜一憂し過剰に心配する必要はないと考えている。
私の予想するストーリーはこうだ!
どうやら菅総理は福島第一原発の「冷温停止実現」の頃(来年1月目途)の辞任を想定しているようだが、一度「退陣」を口にした一国の総理がそんなにもつ筈はない。
また参議院では「問責決議案」上程も取り沙汰されているが、果たして殆どの国民が疑問視する野党の行動に到底理解が得られる状況とは思えないが、こんなことが早期退陣への決定打にはならないとみる。
そうすると、やはり「震災復興基本法案」を成立させ「第二次補正予算案」成立に目途のつく6月末~7月初旬くらいには退陣に追い込まれるだろう。
首相には二つの選択肢があるが、今の被災地の状況で「解散・総選挙」は無理だろう。
あとは「内閣総辞職」の道しか残されていない。
次期総理を決定する「首班指名」だが、それには、まず衆議院で過半数を握る民主党の「臨時党大会」(準備が出来ないなら両院議員総会)を開いて代表選挙に臨まなくてはならない。
後継レースは「既にスタートしている」とみていいが、マスコミのいうように「本命不在」のレースとなるだろう。
下馬評では「岡田克也」「仙谷由人」「枝野幸男」(首相支持派)、「前原誠司」「野田佳彦」(独自議員グループ)、「原口一博」(小沢支持派)「樽床伸二」「小沢鋭」(中間派)の他、「玄葉光一郎」や「馬淵澄夫」らの名前が取り沙汰されている。
管首相は「若い世代に引き継ぐ」と世代交代を示唆しているが、次の国会運営を「震災復旧・復興」、「原発事故の終息」を第一義にすれば、野党の協力を得るためには課題を特化した「大連立」を考えなくてはならないと予測する。
そうなると次期総理は自ずと決まってくるように思える。
誰が首班指名されようと野党や党内の批判勢力はあるが、今回の大義名分のない騒動では「菅降ろし」に終始した訳だから、そうそう難癖をつけるのは支持を減らすことになろう。
(自民党谷垣総裁は「菅以外なら協力できる」と発言している)
そこで民主党内の議論になるが、結局のところ経験と手腕が買われる「仙石由人」辺りに落ち着くのではないか?
挙国一致の暫定内閣であれば、穏健派長老の「渡部恒三」の線もあるが、本人が受諾するのかどうか?可能性は薄いようだ。
さらに、この間にも国民の願いとは裏腹に政争は繰り返され、「新党結成」への動きが加速されていく。
「維新の会」らの若手議員や「大阪維新の会」にみられるような地域政党の台頭、ひょっとしたら当面する課題に取り組む期間限定の「課題別政党」も誕生するかも知れない。
これから「旧態依然」とした政党は衰退し、永い間政権を担当した「自民党」も政権与党である民主党も例外ではない。
アラブ諸国で絶対的権力を誇った指導者が民衆の力によって排除されたように、民衆の力を侮ったら大変なことになることを政党人・政治家は思い知るべきである。
1,000年に一度の大災害に見舞われ、これまでの政治のあり様が問われているのは間違いない。
「産業・経済中心」の社会構造は、今、見直すべき時に来ているのだ。
でも、日本国民はそうそう急激な社会構造の変革を望んではいないだろう。
兎に角今は、「挙国一致」して震災の復旧・復興と原発事故の終息に全力を注ぐとともに、大災害の教訓をしっかり検証していかなければならない時期である。
当面は「二大政党論」などは影をひそめ、分裂小政党の時代に突入することになるだろう。
日本の将来に腰を据えて取り組む政党の出現と「信頼できる政治」の実現は当分先になるとと予測するが如何でしょうか?
それでも、日本人は大震災・原発事故という国難を見事に克服し、その教訓を礎に新たな一歩を踏み出すに違いないと確信しています。
今回のような「茶番劇」に一喜一憂することなく、冷静に日本の将来を展望したいものです!